【合格者が教える】午後Ⅰ試験の傾向と対策

アイキャッチ_午後Ⅰ試験

午後1試験の概要

午後1試験は記述式の試験です。専門知識が無くても解ける問題なので、極論を言うと国語のテストと同じです。

試験時間 90分
12:30~14:00
出題形式 記述式
出題数 4問中2問を選択し解答
合格ライン 60点

4つの大問から好きな問題を2問選択して解答していきます。

午後1試験の傾向と対策

◆午後Ⅰ試験の出題傾向

直近5回の試験で出題されたテーマは以下の通りです。

R3春 ・タクシー会社におけるDX
・小売業の店舗販売とインターネット通信販売の融合
・印刷会社の写真事業における新規ビジネスの企画
・AIを用いた筋電義手
R1秋 ・化学品メーカにおけるDXの推進
・保険会社の新事業の企画
・大学受験向け予備校の合併に伴うITを活用したビジネスモデルの見直し
・自動運転技術を用いた海底探査システム
H30秋 ・証券会社のコールセンタにおけるAIの機能を活用した新サービスの検討
・住宅設備メーカのシステム導入
・コンテンツ制作会社の事業展開(ブロックチェーン技術)
・AIを活用したエレベータの製品企画
H29秋 ・大型機器製造業におけるIoTを活用したビジネスモデル構築
・飲料メーカの合併に伴う物流業務の見直し
・クレジットカード会社の保有データを活用した取組み
・超小型人工衛星の事業化
H28秋 ・大学の業務及び情報システムの統合
・地域医療情報連携システム
・大型装置メーカの業務プロセス改革
・漏水検知システムの企画

タクシー会社、医療、予備校、人工衛星など幅広い業界・ジャンルから出題されています。

しかし、過去問を解くとわかりますが、ITストラテジストの午後1試験では専門知識を問う問題は出題されないので出題テーマはあまり気にしなくて大丈夫です
専門知識が無くても解答できる内容になっていますので、試験本番で初見のテーマが出題されても焦る必要はありません。

午後Ⅰ試験の対策
午後Ⅰ試験の対策方法は過去問演習しかありません。
ITストラテジスト試験の過去問題はIPAのホームページ上に公表されていますので、テキストや問題集を買う必要はありません
なお、重要な箇所に印をつけたり線を引きながら読む癖をつけるため、出来ればプリントアウトして使ってください。

午後1試験の解き方

午後1試験=現代文の試験
午後Ⅰ試験は専門知識を問う試験ではありません。解答の根拠となる箇所が問題文の中にあるので、それを的確に見つけ出せばいいのです。つまり、現代文(国語)のテストと同じです。
そのため、解き方も現代文のテストと同じアプローチとなります。

さらに、現代文の試験としてはかなり簡単な部類に入ります。
センター試験の現代文の難易度を10としたら、ITストラテジスト午後1試験の難易度は4くらいのイメージです。
そのため、現代文が得意な人は逆に深読みし過ぎて間違える危険性があります。過去問を最低2年分は解いてレベル感をつかんでおきましょう。

解答手順

STEP1 問題の選択
4つの大問から好きな問題を2問選択します。
4つの大問はどれを選んでも難易度にそこまで大きな差はないので、できるだけ時間をかけずに問題を選択します。
読むのが早い人は問題を一通りナナメ読みしてもいいですが、そうでなければ各大問の最初の段落に書いてある企業概要や製品概要だけ読み、なじみがある業界やイメージが付きやすいテーマの問題を2問選ぶとよいでしょう。

令和元年度秋期午後Ⅰ試験
令和元年度秋期 午後Ⅰ試験

STEP2 設問の確認
本文から先に読むか、それとも設問を先に確認するか、どちらがいいか人によって分かれるポイントです。原則としては、意識すべきポイントを抑えれば少ない時間で効率的に問題文を読むことができるという理由から、先に設問(何を聞かれているか)を確認する方法をオススメします。
まず設問を読んで何を聞かれているかを確認し、その答えを問題文を読みながら探します。

STEP3 解答欄はすべて埋める
どうしても答えが分からない場合でも、部分点をもらえる可能性があるので解答欄には何か書きましょう。たとえ的外れなことを書いても減点にはならないので、解答欄は必ず埋めます。

STEP4 見直しは必ずする
選択した問題を解き終えたら、必ず見直しをします。
設問と解答に食い違いがないか、改めてフラットな目線で確認すると案外間違いに気づくことがあります。

午後Ⅰ試験対策のコツ

裏技とまでは言いませんが覚えておくと試験に役立つコツをお教えします。
過去問を解く際に実践してみてください。

① 問題文はいちいち隅から隅まで読まない
午後Ⅰ試験は問題文の分量が多く、問題文を読むだけでもかなり時間を使ってしまいます。
(ITストラテジスト午後1試験に関しては)問題文の隅から隅まで読まなくても解答できる問題が多いので、重要でないところは読み飛ばして少しでも問題を解く時間に充てましょう。
例えば、どの問題にもついている「図」は理解しようとじっくり見る必要はありません。
過去問を解く際にも意識してみてください。図を見なくても解答に差し支えないことがわかると思います。

② 指示語を確認する
問題文を読むときは、「指示語」が何を指すのか押さえながら読み進めます。
文章を理解するうえでの基本ですが、「これ」「その」といった指示語が出てきたとき、「指示語が何を表しているのか」についてきちんと押さえておくようにしましょう。指示語が何を示しているのかがわからないまま文章を読み進めてしまうと、内容を勘違いする危険性が大きいです。
指示語が出るたびにその内容を確認する癖をつけておきましょう。

③ 知らない用語は調べる
過去問を解いていて、知らない用語や技術が出てきたらググる癖を付けましょう。
例えば、令和3年春期試験で出題されたDX(デジタルトランスフォーメーション)は業界のトレンドなので、各企業がどのようなDXの取り組みをしているのかはある程度情報収集しておきましょう。
専門書を買う必要はありません。ネット記事を読む程度で十分です。
そもそもDXがよくわからないという方は、IPAの公式YouTubeチャンネルに解説動画が公開されていますので参考にしてください。

④ 午後1試験の勉強は楽しい
ITストラテジスト試験は試験区分ごとに形式が異なるのでおのずと好き嫌いが出てくると思います。
午前試験は単純な暗記が中心ですが、午後1試験の問題文は読み物としても面白いです。
例えば、令和3年春期試験のタクシー業界のDX推進についての出題では、「タクシー業界ではドライバの雇用環境を守る観点から増車が制限されている」など、を読んでいてへぇ~!と思うことが多く、単純な暗記の午前試験の勉強よりも楽しんで取り組むことが出来ました。

まとめ

午後Ⅰ試験について、解答手順や解答のコツをお知らせしました。
午後1試験は国語の試験のような読解力を要しますが、"文学的センス" などという抽象的なものは必要ありません。ハナからあきらめずに、解答手順やコツを意識して過去問に取り組みましょう。

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